おとぼけほすぴたる
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ナースの世界の辞めたい病(病棟三年目編)

さて、気がつけばもう3年目になっていたという感じなのがこの頃。
がんばって覚えた知識 どうにか自分では完璧に近いと思うこの一つの病棟での
看護技術も目をつぶっていても勝手に手が動く 体が動く。仕事は楽しい^^
3年目には3年目の辞めたい病がでてくるのがこの時期。
また今年も新人が入ってきた しかし 今回はなんで私が教えなくてはいけないんじゃ!
ってな感じで 主任看護婦や婦長がいるから あんたらが教えたらいいんとちがうんか!
なんて思っても「自分の看護を振り返るいい時期だから がんばっていい指導してあげて」
と看護の理屈で言われ 新人指導ナースのなるのは少しつらいものである。
自分が教えてもらったことなどもう とっくに忘れて 新人指導は迷惑以外何物でもない。
いや ただ教えるのは簡単だったりするが これが自分に返ってくるのがうざかったりする。
その指導する子がどんなにがんばっても いい子でも苦労するのは指導ナースだったりする。
受け持った新人が「わかりません まだ やってませんから」などというと決まって
指導したナースにかかってくる。 
「あんた 何をいつも教えてるの? 基本的なことが全然分かってないんじゃないの
まず どうしてそう思うかアセスメントして 何が足りないかあなたが探さないと」
なんて 常に言われて さらにその子が仕事を終えないと カルテ書くのさえ
内容チェックして 最終的に最後まで日勤なのに深夜さんの顔まで見て新人さんと一緒に
帰るのはなんか 損な気になっていく。
そして 全然分かってない新人故 とんでもないことするから 常に緊張する。
私の場合 教えた子が清潔なセッシでアルコール綿花を取って その後そのセッシで
イソジンで消毒したり 膵臓のOP後1日目で安静度のきつい人の清拭で 拭きにくいから
って 座位にしようとして めちゃめちゃおこったりしたのを思い出す。
これを 他のスタッフの前でやられなくて ほんとによかったと思いながら
そのうち 新人ナースは手の掛からないナースになっていく・・・・が・・・
1年間はそのこのチェックリストに悩まされるのであるが・・・

さらに この時期 今までメンバーとしてしか参加しなかった看護研究が 
自分がメインで発表までやさせられるのもこの時期に重なる。
うざい・・・うっとい・・・・そう 私生活にかなりの侵害があるからだ。
逃げたい 辞めたいの1番の原因になってしまうのが これだったりする。
仕事も覚えて 楽しくなってきた看護なのに 研究発表の一言で
同期のナースたちにも同情の目で見られる。
買いたくもない看護の本を買って、一人いままでTVの連続ドラマみてた時間に
なぜか 悲しくなるくらい 原稿や資料に追われてしまう。
それが 当たり前と まだまだ思ってしまう3年目
他の病院のナースは もっと楽だと知りながらも 結局ここの病院でしか
やっていけないと感じて そう また3年目はなかなか辞めないから 
自分だけが 一人辞められない事もわかっていることだろう。
でも 研究が終われば 嘘のように身も心も楽になる。 
辞めなくてよかったなんて思う そんな3年目の辞めたい病だったりする。