薬として世の中に出すために効き目や安全性などを調べて試験をすることを【治験】といいます。この試験は法律に基づいておこなわれています。
さて、それではどのような試験を行うのでしょうか?
まず、新しい薬の候補ができると、動物で非臨床試験を行います。動物での薬の作用や毒性、身体の中での代謝や排泄状態など様々な試験をします。
そして、人に対して試験を行います。
人に対しての試験は、まず最初に健康な男性の医学ボランティアの方に使用してもらい、薬の作用や副作用、体内での動きなどを見ていきます。
健康な方だけに試験を行っても効き目はわからないため、次に薬を患者さんに使用します。もちろん患者さんに使用するので、病院で治験を理解している医者が担当し、状態や効き目、安全性などを調べる目的で行われます。
上記の臨床試験の結果は厚生省に認可してもらうための大切な資料となります。治験で得た資料を厚生省に提出し、審査のあと晴れて新薬の誕生となります。新しい薬の候補ができて厚生省に認可されるまで一般に約10〜15年ほどの時間を要します。治験という言葉を聞くと、難しいイメージを持つ方が多いでしょうが、現在、一般に使用されている薬もこういった段階を得て世の中に出ているのです。