製薬企業等から委託を受けて、医薬品の開発にかかわる業務を行う組織のことを医薬品開発業務受託機関(Contract Research Organization : CRO)といいます。
1998年4月から「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」(新GCP)が全面実施され、医薬品の臨床試験の実施は一段と難しくなっております。内容は、治験の質の向上・医薬品の適正使用の推進などで、製薬企業の業務が多くなりました。
そこで、人員や時間面を考慮して、製薬会社の中ではなく、業務を外部に委託する方法で業務を円滑にすすめていく必要性がでてきたのです。その外部委託(アウトソーシング)を行う企業や団体がCROなのです。CROへの委託が進展した背景として、治験や市販後調査の実施に関する規制の強化に伴い、製薬企業の業務量が増加したこと、実績を重ねるにつれて、治験に関する専門的なノウハウが、CROに蓄積されていったことなどが挙げられます。
CROの業務内容は、治験計画書の作成、医療機関からの試験データの回収(モニタリング)、試験データの統計解析、治験報告書の作成、および市販後における医薬品の効果や副作用のデータ収集・分析などになっています。
これからのCROは、委託範囲や量も増大し、より高度で信頼性のあるものを求められつつ、とても重要なポイントに位置づけられると考えられます。